開催概要
昨年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が見通せないなか、ハンズオンを中心とする内容であったことから、やむを得ず開催中止の判断をいたしました。1年が経過した今も感染拡大が収まる気配は感じられませんが、私たちはこの1年で、オンライン教育やテレワークを実施する環境を整え、実機に触れることなく研究を遂行する環境を構築する術を模索してきました。「ニューノーマル(新しい日常)」と呼ばれた生活様式も今や「ノーマル」となり、これを機会に教育・研究・業務のデジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)の推進が始まっています。
7回目の開催となる今回はオンラインでの開催とし、「教育・研究・業務のDXを支えるクラウドサービス」をテーマとし、クラウドサービスを活用したDXを推進されているあるいは推進予定の組織、それに適したサービスを展開中の事業者などにお話をいただきます。これまで、書類の電子化やビデオ会議ツールの利用など道具のデジタル化を表すデジタイゼーション(Digitization)、クラウドサービスの活用などデジタル技術を所有から利用へと変革させることで新しいサービスや価値観を生み出すデジタライゼーション(Digitalization)へと進んできました。これからはこれらの実践と活用を通して、情報の共有や再利用を図り、新たな価値を創造、享受していくこと、すなわちDXを推進していくことが望まれています。
今回のシンポジウムでは、DXが実現する新しい世界を概観するとともに、DX推進の基盤となるクラウドサービスについて、ハンズオンや講演を通して参加者の皆さんと考えてみたいと思います。
今回は、シンポジウムの前日および当日の午前にハンズオンセミナーを開催します。
ご興味のある方はぜひこちらにもご参加ください。
本シンポジウムは、「2021年サイバーセキュリティ月間」関連イベントとして開催します。
プログラム
※都合により変更する場合があります。
■ ハンズオンセミナー第1日
◇ 日本マイクロソフトによるハンズオン
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- 定員:20名
- 参加申込み:こちらからお申込みください。
※ ご参加いただき、ありがとうございました。
概要
明日から自分の大学で使えるMicrosoft Power Platformを用いた大学業務支援アプリ開発講座
・学生アンケート作成(Forms)
・オンラインセミナー受付システム(Forms→Powerautomateで会議URL送信)
・学生向け各種申請書受付システム(Forms→SharePoint→担当者決裁→メールにて本人に通知)
プログラム
10:00~10:30 Microsoft Power Platformの話
10:30~11:00 香川大学の取り組み
11:00~12:00 ハンズオンをはじめるための準備
12:00~13:00 休憩
13:00~16:00 ハンズオン
◇ AWSデモ・ハンズオン・セミナー
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- 定員:なし(一部定員あり)
- 参加申込み:こちらからお申込みください(部分参加可)。
※ ご参加いただき、ありがとうございました。
概要
現在Amazon Web Service には200を超えるサービスラインアップがあります。
本日はその中から、特にDX推進を支えるにお役立ていただけそうなプロダクトをチョイスし、製品のご紹介、デモセッション、ハンズオンセッション形式でご案内します。
プログラム
13:00~13:30 セミナー:Amazon Web Services最新情報アップデート
13:30~14:20 デモ1:デスクトップソリューション
VDIソリューションであるAmazon WorkspacesとAppstream2.0をご紹介します。
併せて安全に接続するためのVPNソリューションについてもご案内いたします。
製品についてご案内をしたのち、デモとして実際に起動画面から、ログイン方法についてご案内します。
14:20~14:30 休憩
14:30~15:00 デモ2:コールセンターソリューション
簡単にコールセンターを構築できるAmazon Connectについてご紹介します。
15:00~16:00 ハンズオン:機械学習ソリューション(最大35名)
最初にAmazon Sagemakerについてご紹介をしたのち、実際に操作をいただきながら環境構築をいただきます。主にJupyter notebookでの作業となりますのでPythonの知識をお持ちの方お勧めのセッションです。AWSアカウントはご用意いたしますのでアカウントをお持ちでなくてもご参加いただけます。
※こちらは操作性を見ていただくためにハンズオンはなさらずに視聴いただくだけでもご参加可能です。
16:00~16:30 休憩
16:30~17:30 パネルディスカッション
AWSをすでにご利用いただいております大学3校にご参加いただき、コロナ禍での対応やDXへの展望をお話しいただきその後パネルディスカッションを行います。
・各大学様にクラウド利用状況+コロナ対応の状況(10分×3)
ご登壇予定:
-広島大学 情報メディア教育研究センター 相原 玲二様
-札幌学院大学 情報処理課 原田 寛之様
-近畿大学 総合情報システム部 上田 拓実様
モデレーター AWSJ
・パネルディスカッション(20分)
・質疑応答(調整時間)(10分)
■ ハンズオンセミナー第2日
◇ 国立情報学研究所によるハンズオン
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- 定員:20名(大学・研究機関関係者を優先させていただきます)
- 参加申込み:こちらからお申込みください。
概要
国立情報学研究所では、大学・研究機関でのクラウド利用支援を目的とした「学認クラウドオンデマンド構築サービス」を提供しています。クラウド上で研究・教育用アプリケーション環境を構築するには、アプリケーションの知識だけでなく、利用機関とクラウドプロバイダを接続するネットワークの設定やクラウドプロバイダごとに異なる構成や操作方法が課題となります。
本サービスでは、利用機関とクラウドプロバイダの初期接続設定の支援や、クラウドプロバイダ構成と操作の抽象化により、この課題のハードルを低減しています。また、環境構築ワークフローのテンプレート化と実行環境のコンテナ化により、近年研究で求められる再現性の高い環境構築を可能としています。
本ハンズオンセミナーでは、本サービスの概要説明、パブリッククラウド(AWS, Azure)を利用した本サービスの基本操作とGPUインスタンスを利用したアプリケーション環境の構築を体験していただきます。
プログラム
10:00~10:15 1. 学認クラウドオンデマンド構築サービスの概要
学認クラウドオンデマンドサービスの構成、クラウドプロバイダとの接続形態、利用要件などを説明します。
10:15~10:35 2. Jupyter Notebook入門
学認クラウドオンデマンド構築サービスでは、そのフロントエンドとして本研究所が拡張したJupyter Notebookを使用します。基本的な使用方法を説明します。
10:35~12:30 3. 学認クラウドオンデマンド構築サービスの基礎と活用方法
学認クラウドオンデマンド構築サービスの基本的な使用方法、GPUインスタンスを利用したアプリケーション環境の構築と実行を体験していただきます。クラウドプロバイダはAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureを使用します。
(途中、10分程度の休憩を含みます)
※本セミナーは2019年度に国立情報学研究所、北海道大学、京都大学にて開催したハンズオンセミナーとほぼ同内容となります。 過去のハンズオン教材は、以下からご覧いただけます。
https://github.com/nii-gakunin-cloud/handson/
■ クラウドサービス利用シンポジウム2021
※都合により、変更する場合があります。
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- 13:30~ オープニング
- 13:35~14:05 講演1-1「コミュニケーション改善のためのサービス導入」 資料
京都大学 情報環境機構 情報環境支援センター
センター長 森村 吉貴(もりむら・よしたか)
概要
京都大学ではオンライン授業の導入に伴うヘルプデスクの需要増に対応するため、クラウドサービスのZendeskを導入することでオンライン授業の特設窓口を迅速に立ち上げ、効率的なヘルプデスク運用を行うことができた。また、本学のICTの運用を担当する情報環境機構では以前よりSlackによるコミュニケーションを行っていたが、以前からビジネスチャットツールを利用したコミュニケーションが行われていたために、同機構ではリモートワークの導入は極めてスムーズであった。
本講演では、これらのコミュニケーションサービスの導入事例について紹介し、また大学においてICTサービスがコミュニケーション改善に今後どのように寄与できるかについて展望する。
- 14:05~14:35 講演1-2「沖縄科学技術大学院大学のITディビジョンにおけるクラウドサービスを活用したDX推進」 資料
沖縄科学技術大学院大学 ITディビジョン サービス・サポートセクション
ITシステムアーキテクト 松浦 孝紀(まつうら・たかのり)
概要
はじめにOISTの沿革や環境、現状を簡潔にご説明した上で、我々ITディビジョンがどのようなクラウドサービスを全学に展開しているのかをご紹介させて頂きます。また、後半は実際に我々がユーザーとの対話で利用しているITサービスポータルや他部署に導入したAIチャットボットなど簡単なデモを交えながらご説明致します。
- 14:35~15:05 講演1-3「香川大学のデジタル化・DX化の取り組み」 資料
香川大学 創造工学部 創造工学科 情報システム・セキュリティコース
教授 八重樫 理人(やえがし・りひと)
概要
コロナ感染症の拡大を受け、香川大学はデジタル化・DX化を推進すべく香川大学DX化推進技術支援室を設け、大学のオンライン化や大学の事務のデジタル化・DX化にむけた取り組みを実施している。
本講演では、香川大学のオンライン教育や大学事務のデジタル化・DX化の状況や現在進行中の取り組みを紹介する。
- 15:05~15:15 休憩
- 15:15~15:45 講演2-1「僕たちの失敗 ~スケールメリットが生かせない現状からの脱却~」 資料
京都大学 情報環境機構 IT企画室
教授 梶田 将司(かじた・しょうじ)
概要
京都大学は、早くから情報環境機構を設置し(2005年4月)、部局横断型で教育・研究業務の電算化を行ってきた。2011年4月には情報環境機構業務を主務とする教員を配置して体制を強化し、11の運用委員会を情報基盤・教育支援・研究支援・電子事務局部門に集約するとともに、教育・研究に係る計算機借料予算も全学で集約、調達・運用を協働化する中で、教員・事務職員・技術職員が一体となって調査・企画・運営を行う教職協働体制が確立された。2013年にはICT基本戦略を策定し、大学のICT環境整備の長期的方向性をICT活用の具体的戦略とともに示し、ICT利用環境を整備してきた。
一方で、クラウドコンピューティングの進展により、ICT環境は「所有から利用へ」と大きくシフトしており、サーバはAmazon AWS等のクラウドへ、端末はノートPCやスマートホン等を利用者が持参するBYODへと大きく変わりつつある。また、豊富な資金の下、急速に進歩を続けるGAFA等が台頭し、低コストで高品質の外部システム・サービスも利用することを前提にする必要がある。今後は、多様な教育・研究・事務業務の中身に踏み込んだICT支援も求められているものの、厳しい予算削減・人員削減が続く中、これまでのやり方では必要な学内リソースは先細りしていく一方で、多様な外部環境・内部ニーズには応えきれない。
本報告では、大学ICT推進協議会大学デジタルトランスフォーメーション検討タスクフォースとしてとりまとめた提言「多様な教育研究活動の高度化を支える大学ICT基盤の集約化・共通化・協働化」を題材に、我々が陥っているICTのスケールメリットを生かせない構造的問題から脱却するための方策について、エンタープライズアーキテクチャの開発フレームワークであるOpen Group TOGAF9を援用したシェアードサービスモデルへの移行について述べる。
- 15:45~16:15 講演2-2「働くことは学ぶこと #Always Learning」 資料
リンクトイン タレント&ラーニングソリューション部
部長/Senior Manager 早瀬 恭(はやせ・きょう)
概要
世界一の長寿社会として、人生100年時代をいち早く迎える日本に生きる私たち。
企業寿命より長い人生を生き抜くために不可欠なリカレント教育について、世界最大級のビジネスSNSリンクトインのSenior Manager早瀬恭氏が語ります。
- 16:15~16:45 講演2-3「AWSが支える大学DX」 資料1 資料2 資料3
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
シニアソリューションアーキテクト 櫻田 武嗣(さくらだ・たけし)
概要
多くの大学・研究機関にてDX推進を支える基盤としてクラウドサービスをご活用いただいております。
キャンパスへアクセスできない状況となっても業務を遂行いただくためのVDIやVPNソリューション、ニーズに合わせて可変できるLMSのインフラについて、事例を交えながらご紹介します。
- 16:45~16:55 休憩
- 16:55~17:25 講演3-1「学認クラウド導入支援サービス サンプル規程集対応チェックリストの紹介」 資料
国立情報学研究所 クラウド基盤研究開発センター
特任研究員 小林 久美子(こばやし・くみこ)
概要
COVID-19対応を契機としてDXが加速され、多くの大学・研究機関でクラウドの利用が増えています。クラウドの導入にあたっては、学内のセキュリティポリシを策定し、内容をよく理解した上で、適合したクラウドを選択することが重要になります。
国立情報学研究所の学認クラウド導入支援サービスでは、高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集(2019年度版)とクラウドチェックリストVer.5.0をもとに、大学・研究機関でパブリッククラウドを利用する場合の情報セキュリティに関するチェックポイントをまとめた「サンプル規程集対応チェックリスト」を策定しました。
本講演では、このチェックリストの紹介と、これを利用したガイドラインの策定方法について説明します。
- 17:25~17:55 講演3-2「学認クラウドオンデマンド構築サービスの導入と利用」 資料
国立情報学研究所 クラウド基盤研究開発センター
特任准教授 佐賀 一繁(さが・かずしげ)
概要
学認クラウドオンデマンド構築サービスは、クラウド上のアプリケーション環境構築において、ワークフローの自動化とコンテナ技術による高い環境再現性を実現します。
利用例を中心に本サービスの有効的な使い方と最新情報を紹介します。
- 17:55~ クロージング
- 18:00~ 大学ICT推進協議会(AXIES)クラウド部会 第30回会合
※AXIESへの参加を検討されている方、クラウド部会の活動に興味のある方もご参加いただけます。
参加申込み
- こちらからお申込みください。
※ ご参加いただき、ありがとうございました。
- ハンズオンは、それぞれの申込み窓口から参加登録をお願いいたします。
注意とお願い
- 当日のお申込みも可能ですが、オンライン会議の最大数に達した場合は入室できない場合があります。
- 本シンポジウムの様子を録画し、主催者や協力者のウェブサイトへの掲載や活動紹介に使用させていただく場合があります。
参考
お問合せ先
広島大学 情報メディア教育研究センター
https://www.media.hiroshima-u.ac.jp/helpdesk/